小学校中学年

学習障害児の読解力を高める自宅でできる3つの工夫【小4男子を持つ母親の実践例】

小学校中学年

小学4年生の私の息子、レイは、自閉症スペクトラムやADHDなど、複数の発達障害を持っています。

その中でも、学習障害はレイが学校生活を送る上で、大きなネックになっています。学習障害のせいで、読み・書きがうまくできないからです。

しかし、読み書きが支障がある反面、口頭でのやり取りや理解力は年齢相応で、興味のあることなら、まるで大人であるかのように会話をし、理解・説明することができます。

ですが、普通の学校の勉強方法だと、「読み書き」でつまづいて「考える」段階まで進むことができず、読み書きの先にある学びの本質にたどりつくことができません。(これが大きなネックになっています)

このままの状態が続くと、レイはこれからも学校で読み書きをするのが精一杯で、レイの考える力を養う機会が失われてしまいます。

つまり、このままでは学習障害のせいで、レイの長所である「人の話を理解し、考える力」(言語力・読解力)を伸ばすことができなくなってしまうのです。

「このままではいけない・・・!」

こう思った私は、息子の長所(言語力・読解力を伸ばすため、大きく3工夫をしてみることにしました、今回は、そんな私の実践例を紹介したいと思います。

発達障害の息子の読解力を伸ばしたい理由

2年生の6月に学習障害の検査である「WISC-IV」を受けました。そして、検査結果の中で、最も高い点数だったのが言語能力でした。

確かに、弟と比べると、言葉やルールなどの理解力が高いなと思うことが多々ありました。

小さい頃から、「〇〇(好ましくないこと)していると、鬼が来るよ!」などのこどもだましよりも、現実的で合理的な理由を教えた方が理解できて、ルールの飲み込みも早い子でした。

また、2歳くらいからピクサーなどの映画が好きで、ストーリーに感動して泣くほど多感な子で、ストーリーもそれなりに追えて理解しているようでした。

そしてなによりも読み聞かせが大好き。

毎晩、寝る前は読み聞かせは必須で、小学2年生の頃には、ハリーポッターやマインクラフトなどの、大人向けの長編小説をねだるようになりました。

このように、物語の内容を理解する力あるのにも関わらず、読み書きだけで疲労感が強いため、文章問題にまで取り組めないのです。

読み書き障害がなければ、文章問題は一番点数が取れて、自信につながる問題だったはずです。この学習障害のお陰で、学びの機会が得られなくなることに、親としてはとても焦りました。

そこで、まずは自宅の学習では「読み書き」と「読解」を切り離して、レイ本人に読み書きをあまりさせないようにしました。

そして、読解力に必要な「語彙力」「集約力」「思考力」に集中してアプローチすることで、レイの長所を伸ばす作戦です。

レイの長所を伸ばす工夫その1:読み聞かせで一問一答をする

新しい試みとして、大好きな読み聞かせをする時に、嫌にならない程度に、レイに問題を出してみることにしました。

例えば、ストーリーをまとめるような「こそあど」言葉が出てきた時に、

「この『これが』は、何のことを指しているのかわかる?」

と質問するなどして、さりげなく内容を理解できているかを確認します。

さらに、レイの語彙力を増やすため、言葉の意味を積極的に説明するようにしました。

例えば、

『かりうど』は『狩』をする『人』と書いてかりうどと読むんだよ」

という感じで、漢字の意味を別の表現で説明したりしてみました。

そして、文章の区切りの良いところで、ストーリーをまとめるような質問もしてみます。

「なぜ主人公はこんなことを言われてしまったのだと思う?」など。

レイがどんな反応をするか不安でしたが、これらの質問に抵抗なく答えてくれました。むしろ、質問を通じてストーリーを振り返ったり、話をまとめるきっかけとなり、レイは楽しそうな様子でした。

やはり、レイは「読み書き」ができないだけで、人から聞いた話はしっかり理解できるし、考える力も持っているようです。

レイの長所を伸ばす工夫その2:映画を一緒に観て感想を話し合う

レイは3年生の時に精神障害者保健福祉手帳を取得し、その割引サービスで、本人と付き添い1名がそれぞれ1,000円で映画を観られるようになりました。

映画館へ足を運ぶことが大好きな子なので、ちょっとしたご褒美に連れて行って、親子でリフレッシュしながら学びに繋げています。

感想をワイワイと話し合いながら、内容やストーリー、心情を理解しているかチェック、フィードバックします。

MARVELやSTAR WARSなど、観る映画も大人向きのものに近づいてきた分、時間も長いし、壮大で抽象的なトピックが絡んでいることが多いので、内容を理解して追うのもなかなか難しいことかなと思いますが、現代の問題や科学技術の話など、学びにつながることも多く、とても有意義です。

レイの長所を伸ばす工夫その3:短文中心に文章読解ドリルを解く

以下のドリルは先輩ママから教えてもらったドリルです。短い文章で読解に必要な力を確認できるのでとてもオススメです。

私自身、放課後デイサービスで学習指導の仕事をしていたことがあるのですが、文章問題の文が長すぎて、読むだけで疲弊してしまうお子さんの姿を良く目にしていました。

発達障害の子供にとって、「最小限の労力で効率の良い学習」がいかに重要か、放課後デイの仕事で学んでいたので、上で紹介したドリルはその点でとても素晴らしいと感じました。

ドリルをやらせるタイミングも少し工夫して、ご飯の時間にやらせるようにしました。

すでにお話ししたように、レイは読み書きができないので、文章読解の問題も自宅では読み書きはさせません。

問題は全て私が読み上げ、レイはそれを聞いて口頭で答えます。これなら、食事中の会話感覚で楽しく学習することができます。

ドリルは、おおむね1ページ5分で終わるので、学習に抵抗のあるレイでも取り組みやすくなっています。

こちらは推理して解くもので、これもとても楽しいようです。

読み聞かせや映画鑑賞という勉強っぽくない雰囲気のことも大切ですが、こういったハードルの低いドリルができると、「勉強したぜ!」という自信になるみたいです。

できることを積み重ねる→褒めることに繋がる

レイには「ストーリーがあって脳内でイメージを広げやすい文章を理解するのが得意」という特徴があるので、この特徴を活かしながら、私やレイができることを少しずつ積み重ねていこうと思います。

少し話は変わりますが、「自宅学習では極力読み書きをさせない」という私の独自の勉強法は、別な面でも良い効果が見られました。

それは、「文章を聞いて理解する」というレイが得意なことをしているので、自然とレイを褒めることになったことです。

私からすると、文字を見ずに、長文を聴いただけで理解して答える方が難しいと思うので、感心してついつい褒めてしまいます。

自然と褒め言葉が出るので、私にとってもレイにとっても、精神的にとても良いと感じています。

レイには「学校のテストで点数を上げることに直結する必要はない、君の本当の意味での学びになると嬉しい」と伝えています。

もちろんテストの点数につながるようなことができるのがベストです。これまでの私の経験上、ここで無理に型にはめるような学習をさせたところで効果は上がらないことや、親子の信頼関係が崩れてしまうことが、目に見えています。

なので、今は、レイの得意分野(読解力)を伸ばして、レイの自己肯定感の向上に繋げることが大切だと感じています。「お母さんはレイができる子なのは、わかっているよ」ということが伝われば、我が家としては、今はそれがベストなのかなと思っています。

〜〜この記事を書いた人〜〜
teru.ko

学習障害をこじらせて不登校の長男とホームスクーリングをしています。今のところ困り感のない次男もおります。ライターとして、まだまだ知られていない学習障害や不登校などの記事を発信して参りたいと思います。

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