私は小学校3年生の息子と1歳の娘を育てています。二児の母としてドタバタとした毎日を過ごしています。
今回は、息子が苦手な算数の宿題が全くできず、家庭内の雰囲気も険悪になってしまったときの体験談を紹介します。
どうすれば良いのか試行錯誤して、対処法を見つけるまでのお話となります。
自閉症スペクトラム
長男は小さい頃からあまり目立つタイプではなくどちらかといえば大人しいタイプの子どもでした。
これといって目立ってできないことがあるわけでもなく手がかかるようなタイプの子でもありませんでした。保育園のときからも担任の先生に保育園での様子など話を聞いてもしっかり周りの子と関わりを持っていますし、先生の話もしっかり聞けてます、と言われていたので安心していました。
しかし、小学校に入り勉強が増えてくるにつれて、「わからない」と言うことが増えてきました。この様子に少し不安を覚えたので入学後に祖母からのすすめにより療育センターを受診することにしました。何度か受診しテストや先生と話をする中で息子が小学校2年生のときに自閉症スペクトラムと診断されました。
算数の授業はわかるのに宿題ができない
たしかに、小学校1年生の時から算数の簡単な問題がわからないと繰り返し言うことがあり少し悩んでいました。
学校でどうしているのだろうかと思い先生に相談してみましたが学校ではわからないと言うことはなく問題なく普通にできているようでした。学校でも勉強自体を習ったことは覚えているようでした。問題文の中でも少しわからないことがあったりしてもその場で先生に聞くようで先生も少しヒントを出すとわかるようになると言われていました。
でも、家に帰ってきていざ宿題をしようとなるとわからなくなるようでした。なにがわからないのか、どうしてわからないのかが息子に聞いてもわからないと泣き出してしまうこともありました。その時には原因がわからずどうしたらいいかもわからないままでほとんど答えを教えてしまうような教え方をしていました。
これでは良くないと思いながらもお互いがピリピリしないためにとこの方法をとっていましたが、自閉症スペクトラムと診断されてから勉強の仕方を考えるようになりました。
本人にとっても毎日の宿題が嫌になっていくようでしたし、「わからない、わからない」と泣き出してしまうこともあったので私もどう教えるかいろいろ試してみることにしました。
数字に線を引いてみる
まず一番最初にやってみたのは、プリントの問題などの問題文の中にある物の数や人数など数字になっているところに線を引いていくやり方でした。
「5人の子どもが遊んでいました。2人が帰って3人残りましたー…」などの問題があると、5人の部分に赤線、2人の部分に青線を引いてみて、
残りの人数にも線を引き、「青い線と赤い線を引いたらなにになる?」などと説明をしてみたのですが息子にはあんまりよくわからずにピンとこなかったようでした。
むしろ、より一層わからなくなってしまったようで、この方法は失敗でした。
実際に物を用意して数えてみる
2番目のやり方は物を使うやり方でした。実際に、消しゴムやおはじきなどをその個数準備していきます。
消しゴムを人数分用意して、「この人数(5人)が遊んでいるよね」と周りに絵を描きながら伝えていきました。そして帰った人数(2人)を移動させていくようにしながらゲーム感覚で問題を解いていきました。
実際に息子の手で消しゴムを移動させて、「この人数帰ったんだね、ならあと何個あるかな?」と数えながらやっていました。
そうするとわかりやすかったようで問題をすべてすんなりと解けるようになりました。物を使うことでイメージが湧きやすくなったみたいで、楽しく問題を解けるようになりました
絵を描いてみる
3番目のやり方は2番目の発展形で、絵に描いてみる方法です。
リンゴの絵をかいてみたりアメの絵をかいてみたりして、
例えば「3個のリンゴを2個食べました。」という問題なら、リンゴを3個書いて「2個食べたから2個消そうねー!」と言って2個のリンゴを消しゴムで息子に消してもらいます。
息子が2個のリンゴを消し終わった後に「何個残ってる?」と聞くと、残ったリンゴの絵の数を答えるだけなので、すごくわかりやすいようです。
増やすものであれば、その個数を私が絵をかいて増やしていきそれを数えてもらうようにしました。
楽しく算数の問題を解く息子の姿
最初の頃は、私が絵を描いたり消したりするのを手伝っていましたが、少しずつ息子に任せてみるようにしました。
息子に全部を任せて見守っていると当初は「難しい、わからない」と言うこともあり、一緒に絵を声かけしながら描いたりもしていましたが、何度も挑戦するうちに息子も慣れてきます。
今では私は見守っているだけで、息子1人で絵を描きながら算数の問題を解けるようにまでなっています。
さらには、絵を描いて算数ができるようになると、次は絵を描かなくても頭の中で絵をイメージできるまでに成長しているみたいです。
問題が解けるようになってくると算数を楽しめるようになり、解ければ解けるほどドンドン算数が好きになっている様子です。
苦手を克服できると家庭も明るく
息子には視覚的に訴えるやり方が功を奏したようです。
物を使うとゲーム感覚で楽しいし、絵だと目に見えるので楽しいみたいです。
世の中には、その子その子にあった勉強のやり方があると思います。今回、息子に適した勉強法を見つけたことで、息子が算数自体を好きになったのはもちろん、息子にとって大きな自信にもなったようです。
息子に合う勉強法を見つけれたことは、子供にとっても親にとってもプラスであり、いろいろチャレンジしてみて本当に良かったと思っています。
算数ができないとぐずることも減って、私と息子の間で険悪ムードが漂うことも少なくなりました。これからも少しずつではありますが、お互いがストレスなく前向きに、さまざまなことに取り組んでいければいいなと思って、子育てを頑張っていこうと思います。
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