今回は、発達障害がある子供の多くが苦手とする「整理整頓」そして、「物忘れの多さ」を改善するために私が取り組んでいることを紹介したいと思います。
私には、17歳 (娘、ADHD)と9歳 (娘、自閉症のグレーゾーン)の2人の子供がいます。この2人に共通していた「整理整頓の苦手」「物忘れの多さ」を改善させた私の体験談も交えながら、取り組みを紹介していきますね。
用意するものは時計
時計は、アナログでもデジタルでも、お子様が理解しやすいものを用意してあげてください。
幼稚園の年長さんくらいになると、時計が読める子も多いと思います。
時計を活用して発達障害児に整理整頓をさせる方法
最初はお片付けから
まずは、整理整頓の基礎になる「バラバラにした物を元の場所に戻す」という片付けから入ります。
例えば、夕飯の時間が18:00からだとします。
私のやり方はこうです。
私 「〇〇ちゃーん!今何時?」
子 「今はねー、17:30だよー!」
私 「え、やばいやん!お母さん急いでご飯の準備せんとやんか!」
子 「・・・・・・・・・」
私 「ねぇ・・・ちょっとさ、競走しない?」
子 「何を?」
私 「お母さんがご飯作り終わるのと、〇〇ちゃんがオモチャを片付け終わるの、どっちが早いか!・・・よーいドン!!」
笑顔でゲーム方式を提案する事と、よーいドン!と言われた事の反射で、不思議なほど楽しそうに片付けを始めたのです。
片付けが苦手で時間がかかりますので、ご飯を作り終わるより早く片付けが終わるように、こちらも配慮が必要です。
先に終わらせることが出来ると、達成感を覚えてくれます。
子 「終わったよー!」と、報告をしにきてくれたら
私 「あぁー!負けちゃったー(ここはしょんぼり顔)。でも〇〇ちゃん凄いねー!出来たねー偉い偉いっ!」
と褒めてあげましょう。
お片付けができるようになったら整理整頓
お片付けを何日か続けることが出来たら、次は整理整頓です。
この整理整頓という行動が、発達障害をもつ子供にとって、とても大変な事なのです。
まず、「分類分け」 が理解出来ません。
私 「いつもお母さん負けちゃうなぁ!〇〇ちゃんお片付け早いもんね?」
子 「うんっ!早いでしょ?凄いでしょ?」
私 「〇〇ちゃん・・・お願いっ!お片付けだけだと、お母さんずっと負けちゃうから、〇〇ちゃん、オモチャを同じ仲間同士に分けてみてくれない?」
子 「うーん・・・いいよ!」
と、元気よく返事をし、いつものように、よーいドン!をしました。
しばらくすると、「できたー!」とニコニコ。
どれどれ?と、見てみると、思っていた整理整頓ではありませんでした。
合っているような、合っていないような・・・いや、違う。望んでいたのと違うと、すぐに気が付きました。
絵本と絵本の間に、切り刻まれた新聞紙。
塗り絵のページの間に折り紙。
新聞紙に包まれた絵本。
一番下に、お人形。
その上におままごとセット。
さらに、小物系をバラバラと散りばめ、一番上にドールハウス・・・
違うんだよ・・・たしかに分けてはくれた。
それは認めます。
しかし、ぐちゃぐちゃでした。
翌日、私はある事を娘に提案しました。
洗濯物の整理整頓を通じて的確な指示を出してみる
ぐちゃぐちゃだったとは言え、時計を使って時間制限を設けることで、ゲーム感覚で整理整頓をしてくれるようにはなりました。
そこで、次は洗濯物の整頓をさせてみることにします。
私 「〇〇ちゃん、お母さんのお手伝いしてくれる?」
娘は快く快諾してくれました。
ここからは「的確な指示」をします。(ここ大事なポイントです)
これをお願いしました。
子 「できたー」
子供の声が聞こえると、ここから先は私のターンです。
私は、「〇〇ちゃん、よく見ててね!」と声をかけ、娘が分けてくれた順番の通りに畳んでいきました。
大きいものから畳み、重ね、1箇所に纏める。
これを、お父さん・お母さん・娘のものと順番を崩さず、お話をしながら淡々と畳んで見せました。
私 「綺麗に畳めたー。お母さんのこと褒めてー」
子 「お母さん、凄い!えらいねー」
私 「あっ!そうだ・・・〇〇ちゃん。〇〇ちゃんもオモチャをこうやって片付けてみたら?きっと綺麗に片付くんじゃない?よーし、やってみよう」
と有無も言わさず、オモチャの散らかっている真ん中に誘導しました。
娘は少し戸惑っていましたが
私 「お母さんも、お手伝いしてあげる」
というと、ニコニコ笑顔になり、率先して整理整頓を始めました。
私 「〇〇ちゃん、これどこに置いたらいい?」
そうです。
今度は娘を 「適切な指示」を出す側に立たせてみたのです。
一通り分類分けをすると、間違いが見つかります。
これはこっちかな?あっちかな?と、考えながら最後まで、娘主導を貫きながら、分類分け、大きさ順に並べる事を終えました。
「これはここ!」
「これはこっち!」
「こっちの方が大きいから下に置く!」
と声を出しながら、所定の場所に整頓をしながら、お片付けをしてくれたのです。
オモチャの分類分けから、全てを終えるまで、約一時間半かかりました。
私 「綺麗にお片付けできて、気持ちがいいね!偉いねー〇〇ちゃんは本当に凄い!やればできるじゃーん」
気がついたら、思い切り抱きしめていました。
決して大袈裟ではないのです。
発達障害の子が、整理整頓を意識してお片付けができたことは、本当に凄い事だと心から思いました。
大袈裟なくらいに褒めてあげると、子供も嬉しいので、翌日も同じようにお片付けをし、報告をしてくれました。
一度出来ると、自信がつきます。
二度三度出来ると、確信を持ちます。
数日後には、こちらから声掛けなどをしなくても、時計を見て、お片付け+整理整頓を始めて、ご飯の時間までに、終えるようになりました。
やれば出来るを習慣化する事が大切だと思います。
それでもやってくれない日はたまにあります。
そういう日は一度だけ声をかけ、それ以上言わない!というのが私の鉄則です。
嫌な気持ちのまま、無理にやらせてしまうと、続かなくなり、お片付け、整理整頓すること自体を 「嫌なこと」だと思ってしまいます。
それでは、本末転倒なので、どうしてもやりたくない日は放っておきましょう。
時計を活用した発達障害児の忘れ物対策
これも時計を使います。
寝る時間から逆算し、明日の持ち物を完璧に用意させる事は、意外と大変ですよね?
私の場合は、最初に現在の時間を確認しておきます。
そして、紙と鉛筆(ペンなどでもOK)を用意して
私 「明日の持ち物教えてー!」と、子供に聞きます。
この時点で、明日の持ち物の確認を促すのです。
そして、私は言われたものを書き出し、ここから「適切な指示」を出します。
書き出した順番に沿って、
「コップとお箸用意しよう!」
「〇〇のプリントって、もう用意した?」
などと確認をしながら、1つ1つその場に用意していきます。
必要な物が揃ったら、手提げやランドセルにしまいます。
私 「お!凄いやん・・・まだ20分しかかかってない!明日は15分を目指そう!」
褒める+次の目標を明確にする事で、頑張ってみようと思ってくれます。
毎日続けることで、やはり自分での時間配分が身についていきます
お片付けや整理整頓と同じで、持ち物も分類分けして、決まった場所にまとめる!
これを習慣化していくだけで、無駄な時間も無くすことができますし、時間配分を考えた生活習慣が身につきます。
幼稚園や小学生の間にこの習慣を身につけないと、中学生になってからとても困ることになります。中学生になると、小学生の頃に比べて宿題の量が3倍ほどに増えてしまうからです。
ご飯の前に、お片付け。
寝る前に、翌日の持ち物チェック。
もちろん、食事の時間、お風呂の時間にも配慮し、宿題の時間を作らなくてはいけなくなります。
時間配分ができるようになっていると、自分のペースで、空き時間を使って宿題をするという項目を 「足すだけ」。
子供のペースを乱すのではなく、子供のペースを上手く作ってあげましょう。
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