発達障害の有無にかかわらず、「子供に勉強してほしい・・・」と思うのは親であれば誰もが思うこと。今回は、発達障害の子供に勉強のやる気スイッチを入れさせる方法を紹介します。
私自身、17歳 (娘、ADHD)と9歳 (娘、自閉症のグレーゾーン)の2人の子供を育てている母親です。発達障害児2人を子育てする中で得た7つの実践ノウハウをお伝えできればと思います。
読み進めていただくとわかりますが、ノウハウの1つ1つは発達障害のない子にも当てはまる一般的なお話です。しかし、その当たり前を強く意識して子供の特性に合わせた形で工夫をしていくことが、発達障害の子の学習意欲(モチベーション)を高めるためにとても大切なことになります。
そんな視点で、続きを読んでみてくださいね。
学習意欲UPノウハウその1:好きな(やり易い)教科から始める
算数、国語、理科、社会
どの教科からでも構いません。子供の手のつけやすい教科から勉強を始めることで子供のモチベーションを上げることができます。
当然のことだと思うかもしれませんが、発達障害の子はその傾向が特に顕著なので、当たり前のことをしっかりと実践することがポイントです。
子供ができること・覚えていること・興味のあることなどを事前に把握して、子供が何をやりたいのかわかるようになってくると、だんだんスムーズに勉強をさせることができるようになります。
ただし、1つ注意する点があります。それは子供が漢字が得意で「漢字を書くところから始めたい!」と言った時です。発達障害を持つ子供の中には、筆圧を調整できずに力を入れて字を書いてしまう子供もいます。(我が子もそんな筆圧の強い子供の一人です)
そんな子供の場合だと、漢字を書いているうちに指が痛くなってしまって、そこで勉強が終わってしまうことがあります。
なので、我が家では、同じ国語でも漢字以外のところから始めるよう子供を誘導するようにしています。誘導するには、すでにお話ししたように子供ができることなどをリサーチしておくことが重要です。
学習意欲UPノウハウその2:勉強を始める時間を意識させる
漠然と子供に勉強させるよりも、「○○時になったら始めようね!」と時間を意識させると、子供がやる気になってくれることが結構あります。
具体的に言うと、キリの良い時間からスタートするのがおすすめで、「9:00になったら始めよう!」などと声掛けすると、子供の意識が変わってきます。
時間を意識させることは、勉強の習慣付けにも効果的で、夏休み・冬休みの勉強時間の確保(ルーティン)にもなります。これができるようになると、子供も親もとても楽になると思いますし、約束事を守る事を教える上でも役立つので一石二鳥です。
このテクニックで一番重要なのは、親も一緒に時間や約束を守ることです。一緒に決めた事なので、時間や約束を守るのは親も徹底してください。約束を守らない人に「約束を守れ」と言われても説得力がないと感じるのは子供も同じです。
発達障害の子供が時間を意識するようになると、勉強のスタート時間に強いこだわりを持つこともあります。
そうなると、母親の私が時間を守れないと逆に子供が怒ることもあります。実際に私は、子供が宿題をやってくれない&しばらく口もきいてくれない状態になって途方に暮れてしまった経験があります・・・。
親としても、時間厳守で子供と真剣に向き合うことが必要になります。当たり前のことでも、それを徹底することは想像しているよりも難しかったです。
学習意欲UPノウハウその3:誘惑を排除する
発達障害のある子が集中して勉強をする為には、勉強の邪魔になる物を徹底的に排除していくことが大切です。
これも当たり前の話かもしれませんが、発達障害のある子は本当に「徹底的」に排除することが大事なのです。
・テレビは消す
・おもちゃがない部屋で勉強をする
・普段から子供が気になっているものを部屋からどける
これらを徹底するだけで、私の子はかなりの確率で勉強に集中することができるようになりました。
面倒な作業かもしれませんが、徹底的にやる必要があります。
実践をするには、「子供が何に関心があるのか」をじっくりと観察して、子供の気をそらすものが何なのかリサーチをしておくことも大切です。
誘惑を排除して一回スイッチが入れば逆にすごい集中して勉強に取り組んでくれるので、勉強を見守っている間は、親の私も本を読みながらのんびりすることができています。
学習意欲UPノウハウその4:勉強のゴール地点を明確に示す
「10:00まで頑張ろう」
「ここのページが終わるまで頑張ろう」
など、勉強のゴール地点を事前に示してあげることも、勉強意欲UPに効果がありました。
大人でもゴールが見えない事に全力を注ぐのはキツい事。発達障害を持っていれば、なおさらです。
ただし、ゴールの設定方法には注意が必要で、やり方を間違えると逆効果になってしまいます。
例えば、「教科書の○○ページが終わるまで頑張ろう」とゴールを定めても、子供がそこまで到達できないと逆効果です。ゴールに到達できなかったことで子供はやる気を失ってしまいます。(過去に何度か失敗した経験があります・・・)
なので、ゴール地点は子供が達成できそうなラインで設定するのがオススメです。
とはいえ、簡単にしすぎると気が緩むので、子供の苦手・得意をしっかりと把握してバランスをとることが大切になります。
学習意欲UPノウハウその5:集中が切れたらすぐ休憩!
発達障害をもつ子は、一度集中するとすごい集中力を見せることがありますが、その集中力を維持することはとても難しいです。
そこで、集中力が切れたら無理せず休憩に入ってしまいます。この点も、発達障害のない子にも当てはまりますが、発達障害を持つ子はよりシビアに休憩を意識する必要があります。
私の子供の場合は、例えば、9:00から勉強を始めたら25分後に5分休憩をとるようにしています。
そして、9:30分になったら勉強再開です。私はこの休憩時間を「リフレッシュタイム」と呼んでいます。
リフレッシュタイムを挟むことで、気持ちにも余裕が生まれるのと共に、時間の配分の目安にもなります。我が家の場合は、5分~10分をリフレッシュタイムの目安としています。
リフレッシュタイムまでの間隔・時間は、子供それぞれで違うと思いますので、やはり子供のことをよく知っておくことが大切です。
我が家の場合は、リフレッシュタイムにはおやつを食べるようにしています。
子供も「あと○分頑張ればおやつが食べれる!」とモチベーションが上がりますし、糖分を摂る事で、より一層リフレッシュタイムが効率よく勉強に作用していると感じます。
学習意欲UPノウハウその6:ご褒美タイム
これは、「勉強のゴール地点を明確に示す」との合わせ技です。目標を達成できたら、ご褒美タイムを設けます。
頑張った事を褒めてあげる。これはとても大切な事だと私は考えています。
ぎゅっと抱きしめてあげたり、頭を撫でてあげたりすだけでも、子供の勉強やる気スイッチはONになりますので、積極的に褒めてみましょう。
何をご褒美にするか・・・は、子供それぞれの特性によって異なります。うちの子は、お喋りが大好きなので、ご褒美として「10分間どんなお話にでも対応しますタイム」を設けています。その10分間は、他のことを考えずしっかり聞いてあげています。
こんなことでも、子供にとってはご褒美になることがあるのですね。私自身も最初知ったときはビックリしました。
子供の好きなことをしっかりと把握しておくと、身近の些細なことが子供にとってもご褒美になることもあります。ここでも子供のことをちゃんと知っておくことが大切です。
学習意欲UPノウハウその7:わからない点はすぐに説明を!
発達障害のある子は、読み飛ばし・覚え飛ばしなどをしてしまう事がとても多いです。
なので、勉強中にわからないところがあれば、なるべく噛み砕きその都度わかりやすく教えてあげましょう。
子供の勉強を見守る際は、子供がうまく説明できなかったり、苦手そうにしている箇所をしっかりと確認するため、紙とペンを持ってしっかりとメモしておくのが私のオススメです
学習意欲UPは勉強を好きになることに繋がる
内容をまとめると、以下のようになります。
こうやって箇条書きにすると、1つ1つは当たり前のことです。大切なのは、我が子のことをちゃんと知ることです。
「子供は何が好きなのか」
「子供が得意なこと・苦手なことは何か」
「子供の集中力はどれぐらい持つことが多いか」
「子供は何をしたら喜ぶか」
「子供の勉強の気をそらすものは何か」
私の経験上、これらを把握した上で、1つ1つの当たり前のことを子供と一緒に腰を据えて実践していくことが、発達障害児の学習意欲を向上させる最も重要なことだと感じています。
勉強意欲が高まると、解ける問題が増えてきて、勉強自体が好きになってくる。そして勉強が好きになるともっと意欲が高まる・・・という好循環に入ることができます。
発達障害を持つ子供には、
・好きな事にはとことん集中する
・ルーティン化することが好き
という長所もあります。この特性(長所)を活かして、
・学習意欲を高めて勉強を好きになってもらい
・勉強することを習慣化(ルーティン化)
していくことが、発達障害児の学習意欲を高めていくコツなのかもしれませんね。
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