私は発達障害がある息子を育てています。
息子は小学校3年生ですが、普通学級に通い続けています。
もちろん、他の子と違うところもあるかもしれません。ただ、それでも先生の理解と協力に支えられながら、息子は普通学級で勉強をすることができています。
今回は、普通学級に通えている息子と先生に関する体験談をお話ししたいと思います。
小学校入学後に自閉症スペクトラムと診断あり
私の息子は8歳で自閉症スペクトラムと診断されています。息子は小学校の入学時には発達障害とは言われていなかったため普通クラスで入学して、今も普通学級で勉強を頑張っています。
その息子が普通学級で大きなトラブルなく勉強できているのは、先生の理解と協力のおかげです。
この記事では、息子と先生のエピソードを1年生・2年生・3年生の3つの場面に分けて紹介してみたいと思います。
子供を気にかけてくれる女性のベテラン先生【小学1年生】
一年生のときの担任の先生は女性のベテラン先生でした。褒めるところはしっかり褒める、でも出来ていないことはきちんと注意をしながら子ども達を伸ばしてくれる先生です。
子供たちがいかに前向きに楽しく勉強に取り組めるかを考えている先生だったので、発達障害があった息子も楽しく勉強に取り組めていたようです。
保育園や幼稚園の延長戦上の感覚で過ごす子どもたちが多かったみたいで、「勉強に必死で取り組みましょう!!」というようなハードな感じがなかったことが、息子には良かったようです。
普通クラスでの勉強はペースも早く、たくさんの子どもに教えるため先生も大変なのでしょうが、「わからないところは手をあげてね!」などと声かけをしてくださる先生でした。
息子は手悪さが多く、「教科書をひらきましょう。」と言われていても筆箱を開いて遊んでみたり、違うノートを出してみたりなどしていましたが、先生が近くを通りながら「今は教科書だよ!」とさりげなく声をかけてくれることで息子もすんなりと勉強に入れていました。
整理整頓が苦手な息子でしたが、できない時には「頑張ろう!」と声をかけてくれたり、できたときにはしっかりと褒めてくれました。
「すごいねー!今日はこんなにも綺麗だね!かっこいいよ!お兄さんになってきたね!これからも続けようね!」
などと前向きになれる声かけをしてくれていたようです。
家でもそれを勧められたので、学校と連携をとりながら勉強を進めていきました。私は、どうしても息子の出来ないことばかりに目が向いてしまうので、そんなときは少し離れて一呼吸おくようにしていました。
できないことを叱ってしまうと本人のやる気もなくなってしまいます。叱りそうになった時に一呼吸をおいて、私自身が冷静になることで、息子も次第にやる気を取り戻すようなりました。
宿題が嫌になりそうなときにもとにかく褒めてあげることを考えました。「椅子に座って勉強ができていて偉いね」、「今日は落ち着いて勉強ができているねー」などと最低限のことかもしれませんが些細なことを褒めてあげるようにしていました。
そうすることで私自身も、子育てに対するハードルが下がったように感じられ、気持ちに余裕を持てるようになり、息子に叱ることも自然と減ってきました。
とにかく褒めてくれる先生【小学2年生】
二年生になり先生が変わってしまいました。若い男の先生で、前のベテラン先生ほど細かな部分に気付くこともなく、怒ることが多い先生でしたが、とにかく息子を褒めてくれました。
息子は絵が好きで得意だったので、先生はそこに目を向けてくれて、息子の長所を伸ばそうとしてくれました。
図工の時間に、息子が他のお友達とは違う目線で絵を描いていると、とても褒めてくれていたみたいです。
また、休憩時間には生徒としっかり遊んでくれる先生だったので、勉強する時間!遊ぶ時間!と息子にメリハリもつけてくれました。
そんな先生の支援もあって、2年生も勉強などで遅れをとることなく、普通学級で過ごすことができていました。
息子が自閉症スペクトラムと診断されたのも、ちょうどこの頃(小学2年生の頃)でした。
発達障害児をもった経験のある先生【小学3年生】
三年生になると勉強もどんどん難しくなり、社会に理科、英語と科目も増えていきます。
当初、3年の担任は臨時採用の先生でした。正職員の先生が育児休暇を取っていたためです。
この臨時の先生は授業のペースが早くて、質問もできず、何もわからないまま家に帰ってくることが増えてきました。
こうなると困るのは宿題です。
宿題をやっていると息子が「わからない!こんなの習っていない!」と言い出すたり、「これは宿題じゃない!やらなくてもいい!」と言ったり宿題ができなくなることが多くなってしまいました。
「先生によってこんなにも違うんだ・・・」
と痛感した私は、「息子をこのまま普通学級に通わせて大丈夫なのだろうか」と悩むようになります。
その時、ちょうど3年生の学年主任が、一年生の頃の女性のベテラン先生だったので、悩みを相談してみることにしました。
悩みを打ち明けると、学年主任のベテラン先生は逐一、学校での息子の様子を私に報告してくれるようになりました。
それだけでなく、学年主任のベテラン先生が、わからない点を息子と一緒に教科書を見て教えてくれたり、、息子をたくさん褒めてくれたおかげで、なんとか今も普通学級で勉強ができています。
そうこうしているうちに、育児休暇を明けて担任の先生が戻っていくると、もともと発達障害のある子どもを受け持っていたらしく発達障害にも理解があり、息子の様子もよく見てくれて、勉強なども褒めて伸ばしてくれています。
先生の理解・協力で普通学級に通えるケースもある
良い先生に恵まれたおかげで、息子だけではなく、私自身も多くのことを学ぶことができました。できないことに目を向けるのではなく、今できている勉強に目を向けて褒めることで、子供が前向きに学習できるようになることもわかりました。
発達障害(自閉症スペクトラム)の子供を普通学級に通わせるには、担任の先生の理解・協力が不可欠だと感じています。(もちろん、お子様の発達障害の程度や特性にもよると思います)
先生が変わると、子供の学校生活にも大きな変化があることを息子が小学3年生の時に痛感しました。
親は、子供の担任を決めることはできません。
それでも、私の息子のように先生に支えられながら、普通学級に大きな問題もなく通えているケースもあることを、発達障害のお子様を持つ保護者の方に知っていただけたら嬉しいです。
息子は同じ褒め言葉でも、私(親)に褒められるととても嬉しいようです。私に褒められるともっと頑張ろうと思ってくれるみたいです。
小学校高学年に入って勉強が難しくなったり、また担任の先生が変わってしまうと、普通学級に通うことが難しくなることもあるかもしれませんが、息子の長所を伸ばせるよう親自身も成長しながら息子と楽しんでいきたいと思います。
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